移植準備(1)今後のダンドリ確認
第2回の採卵日からもう一度リセットを起こし、次のステップへの準備を進めて。
そして迎えた8月10日、つまこが生理3日目となり、久しぶりに品川にいくことになった。土曜日なので、KAWAも当然一緒に行く。
つまこに言わせれば、出来たばかりで今が狙い目ですよ~と言われていたこのクリニックだが、最近は混んできたらしい。確かに、待合室は満席とまでは言わないもののかなりの人が入っている。
一緒にトイレに行って戻ってくるとすぐにつまこが呼ばれていき、そしてすぐに帰ってきた。この日は血液検査はなく、子宮の中を見たようだ。
おなかの中に機械を入れてぐりぐりぐり。「痛いの?」と聞いたら「痛いに決まってるでしょ!と言われる。それはそうだろうなあ、といつもながら申し訳ない気持ちになるのだが、男にはどうしてやることもできない。
そのあと、すぐに診察室に呼ばれたわけで。今回初めて会った女性の先生は、まずは前回の採卵のことについて話してくれた。こちらにとっては前に聞いたことのおさらいに過ぎなかったけど、こんな感じ。
・前回は卵子が6個あって、そのうち6個を採取した。その全てが成熟卵だったこと。(成熟卵が取れる確率は8割ほどなのだが、これがすべて成功した)
・そのあと、精子を中に入れて受精を確認。これがすべて正常受精となったこと(これが6割程度の確率なので、全部を正常受精に持ってこれたのは意外と大きいことなのではあるまいか、と思った)
・これで集めた正常受精卵は8個となったこと。試験管には5個しか入らないので4つずつ入れる。
そして、「このクールで移植を希望しますか?」と医師に言われて、つまこは「お願いします」と即答。それでは、と来週の土曜日にまた受診して、そこで子宮の中の厚さを計ることになった。
お勧めとしては~という今後のプロセスは以下のとおり。
・正常受精卵を3-3-2に分ける。まずは初めの3つを解凍。
・今ある初期受精卵の育て方は2つある。1つは母体に入れてそこで育てること。もう1つは試験管の中でそのまま胚盤胞になるまで育てること。但し、このクリニックでは「自然が一番」とおなかの中でできるだけ育てるようにしている。
・そこで、3つの解凍卵のうち、2つをつまこの子宮に移植する。2つを移植することにより、双子が生まれる可能性もある。1つずつ移植、という手もあるが、年齢を考え急ぎたいという事もあるのであればこの方が確率が上がる。
・残りの1個は試験管で育てる。これが胚盤胞になれば、再び凍結、次の移植に備える。
・それらが全滅したら同じ作業を次の3つで行う。
・さらにだめなら次の2つで行う。
そういうことなら2-2-2-2-に分けて4回母体に移植したほうが効率的なのではとも思ったが、そこらへんはこのクリニックの「方針」なのだそうな。ただ、双子が生まれる可能性があるのが嫌なら1つ移植して2つ胚盤胞まで外で育てる、という手も選択できるそうだが、あくまで解凍は3つ単位。
じゃあさ、とKAWAは質問。この後胚盤胞まで育つ、という確率はどのくらいなのさ、と。ここからが「年齢とか人さまざまですし…」となぜかもごもごして数字を出さない。責任取らせるわけではないし、イメージとしてつかんでおきたいから、と言い聞かせたのだが、どうもらちが明かない。
まあ、高いお金も出すし、失敗すればがっかりするしでなかなか確約したくないのだろうね。それでも聞き込んでしまったのは、やはり8個の正常受精卵を手に入れたことによる余裕というか。
「では、このような方針でいいかどうか、次回までに考えておいてくださいね」と診療の終わりに医師に言われ、「えっなんで?」となったKAWA夫妻。ここまで聞いて、何を悩めと言うのか。「オススメの通りでいいです(ていうか、それがベストな選択としか思えない)」と言って話を決めてしまった。
後になれば思えるのだが、やはりこの後の成功率の低さを考えると、どのように今後のダンドリを進めて行くのか、納得いくまで考え抜き、二人で結論を出してから移植に臨むべきで、「よくわからないけどオススメ商品があるならそれ買いますわ」と言いなりになるのも後悔のもとになるのかもしれない。自分の人生にとって大事なことであるからこそ、ヒトの提案に何も考えずホイホイ乗ることはできない、とする慎重派の方が多数派であったとしても、それは驚くに値しないだろう。
けれど、どんなに悩んだところで所詮はシロート。このクリニックにゲタを預けると腹をくくったうえで不妊治療を受けているKAWA夫妻なのだから、素人考えで右往左往したり、余計なサイド情報を入手して混迷を深めたり、というのは無駄だと思ったのだ。
そこらへん、KAWAとつまこは考えが全く一致していたわけで。
ここらへんも、8個受精卵を持つ者の余裕だったのかもしれない。