オバフォー夫婦の高度不妊治療日記(夫版)

夫の側から見た、高度不妊治療および超高齢出産について記していきます。

採卵日翌日ー受精確認

採卵の翌日は通常通り出社。この日、KAWAは珍しく飲み会がダブルブッキング状態となっており、まずは高校の部活の同期会に出席して、そのあと昔の仲間たちとの飲み会に2次会から合流するつもりだった。

仕事が予定通り(笑)立て込んで退社が遅れた後に新宿に向かい、まずは同期会に参加すべく場所をスマホで検索していたらつまこからLINEが届いたのを確認。

「重要な話があるので、1次会で帰って来て下さい。」

 

正直、少しビビった。

前日採卵した卵子に顕微授精を施し、ちゃんと受精できたか確認。そして受精した卵子に異常がないか確認。そんなことの結果報告が、この日のうちにクリニックから届く予定だった。

結局は2つとも受精できなかったという事なのか。それとも、卵子が奇形だったという事なのか。

まずは仲間たちとの2次会をキャンセル。同期会も気がそぞろの中で過ごした後、みんながこぞってHootersへ2次会に行くなかでいそいそと帰宅。

 

自動車保険のことで連絡があったんだけどさあ」

バタバタと帰ってきたKAWAに対して、つまこから飛び出してきたのはそんなセリフ。はぁっ?という言葉がついて出るのを止めることができなかった。こちらは卵子にどんな事態が!?とあわてて帰ってきたのに、とKAWAは思わずその場にへたり込む。

人が飲み会に行ったときにはそういう思いがけない言葉で惑わしてきて早く帰るように仕向ける。明らかに確信犯である。そういうことは結婚して6年、ずっと続いてきているはずなのに、まただまされた。

 

「でも、はい」

受精卵の方についてもやはり報告があって、つまこがスマホを差し出してくる。

それは、こんなメールだった。

 

―――――

受精結果は以下の通りです。

採卵   採卵総数:2  

- 成熟卵:2  

精子   量: 2.40 ml   運動精子濃度: 158 万/ml   総精子濃度: 625 万/ml   運動率: 25.3 % 媒精   顕微授精数:2   -

正常受精卵:2   - 今回の前核期凍結胚   1本2個

―――――――――――――――――

なるほど、2つとも無事だったのかー、とKAWAは肩をなでおろす。

クリニックによっては、電話をかけて確認するというようなイベントがあるらしいが、このクリニックでは提携メール一本で済ませるらしい。どちらにせよ、患者側の努力で結果が変わるわけでもなく、何かに祈るとしても(大体どの神様に祈れと言うのか)吉報につながるとは思えない。そう考えると、採卵イベントで卵がいくつ採れた!と余韻に浸る中で忘れ去られるくらいがちょうどいいのであって、このような事務的なメールが来るだけ、というのはKAWA夫婦にとってはむしろ望ましい。

 

それにしても、ふたつとも正常受精確認。

これは、KAWAにとっては「一マス進む」というイベントであり、それなりに大きなステップだった。前に書いた表現で言えば、採卵成功で品川から田町に着き、これでもうひとつ駅を進めて浜松町についた、という感じ。どこかのブログや不妊治療体験者から聞くと、ここも一つの難関で、ちゃんと受精しませんでした、という結果もあって当然だったのだが、つまこにとっては「私にとっては当然」のことであるらしく、なんらの感傷も感じないようであった。それよりはとにかく、正常な卵子が2つ取れたことが大きく、励みになっている模様。

ともあれ、幸先の良いスタートと言える。もう一回採卵いってみようか。