オバフォー夫婦の高度不妊治療日記(夫版)

夫の側から見た、高度不妊治療および超高齢出産について記していきます。

第1回採卵日(上)

そして迎えた6月13日。第1回目の採卵日である。

その日は、たまたま今年から半年に2回取らなきゃいけない有給が増えたため、KAWAも休みを取って一緒に行くことにした。

当日つまこは朝の食事制限あり、7時前には朝ご飯を終了してくださいとのこと。で、予約の11時半にはクリニックに行き、準備の後、12時から麻酔の上で採卵。それからしばらくベッドで休んだ後に用意していた軽食を食べて、結果を聞く、という流れ。

軽食は田端のサンドイッチ屋さんで買っていこう、と二人で決定。「採卵の間にKAWA、は外に食べに行っていていいよ」と言われたけど、つまこと同じ時間帯に同じものを食べる、と言い張る。

このことに関して自分だけ楽しい思いをする気にはなれなかった、というのがほんとのことろ。そんなものでツミホロボシになるとは思っていないけどさ。

 

それにしても、お休みの朝って、どうしてこうすがすがしいのだろう。

つまこは朝7時前までに朝食を済ませること、ということなので、6時半には起きなきゃね、と言っていたのに、6時前には目が覚める。そして軽く朝ご飯を食べて。

手術の予約が11時半からなので、10時前に家を出ればいい。それまでの間やることがなく、のんびり過ごそうと思っていたら、つまこが「時間が空いたらおそうじする」と言い出し、結局寝室とトイレをお掃除してから出かけることになった。

 

クリニックについたのは、狙い通りの11時ちょい前。まずはKAWAのほうにやることがあった。

それは、採精作業。

前もって採っておいて、それをつまこに託していってもかまわないのだが、どうせクリニックに行けるのであればできるだけ直近の新鮮なものを使いたいという気持ちになるというものだ。

いつものプラスチックのコップを渡され、「採精室」にむかった。入ってみると、ソファが入った明るい小部屋で、「そこでご自由にどうぞ」というわけだ。おかれていた注意事項を書いた紙に「DVDの貸出等は行っておりません」とあったのが、ちとおかしい。

まずはソファに座って、リラックスできる姿勢をいくつか試したり、ウェットティッシュで鼻の穴の掃除をしたり、といったことから始めてみる。待合室で待っているつまこは、あいつはこんなに時間をかけていったい何をやっているのか、とか思っているんだろうな、とか思うけど、こちらも何かと整えた後でないと「はいそうですか」とばかりに出すこともできないのだ。

そうして何とか採精作業を終了。相変わらず少ないけど、コップが大きすぎるのだと思う。あれになみなみ注げる男って世の中に存在するのかね。AVの1シーンでもあるまいし。

 

待合室に帰り、しばらくつまこと話をしていると11時半前になり、つまこがすくっと立ち上がって、更衣室の方にずかずかと進んでいった。

ここで、KAWAのお役目はほとんど終わり。

郵便局に用事があったのでいったんクリニックを出ることにしたが、ご飯を食べる時間はつまこに合わせようと思い、受付に時間の目安を聞いてみる。困った顔をして見合わす受付の女の子たちから、まあ1時半ごろだろう、という事を聞きだし、それに合わせようかと思いながら外に出た。

外に出ると誘惑がいっぱい。先に他のものを食べようかしらん、とか思い、いやいやそういう裏切り行為は罰当たりになるかも、と思い返して我慢したりして。

 

結局つまこが待合室に戻ってきたのは1時半過ぎだった。

浮かぬ顔をして出てきたので、一番聞きたかった「痛かった?」もなかなか聞けず。

ここで痛ければ、それがまたトラウマになり、つまこが「もういやだ」と言い出すタイミングも早まってしまう。

ただ、その後聞いた話では、麻酔がすっかり利いていたようだった。局所麻酔だと思っていたら全麻で、採卵の間、彼女は全く記憶がなかったみたい。

ただ、おなかに違和感があるということで、その日の間は歩きづらく、すわりづらくしていたけれども。